米料亭 店舗開発秘話

おいしいごはんと日本の食文化を伝えるお米のテーマパーク「米料亭」

こだわりのお米を最もおいしい状態でたくさんの人たちに食べてもらいたいという思いから、2009年10月に京都・祇園に「米料亭」をオープンしました。
私たちの米料亭はただの飲食店という位置づけではなく、あくまでお米屋である私たちのアンテナショップという考え方をしています。土地柄、国内外の観光客など、より多くの方たちに私たちが提供するお米のおいしさを知ってもらう機会につながると思っています。
私がお米の目利きをして、弟・晃治がそのお米を最高の状態で炊き上げて提供しています。弟は、兄弟で共に米屋で生まれ育ってお米を食べてきた仲。弟もおいしいお米の味をわかっています。
実は、弟を料理の世界に導いたのは、私でした。家業を継ぐのは長男である私ですが、弟には米業界につながる仕事をしてもらって将来的には一緒に仕事ができるようになったらいいなと思ったのです。

 

ランチでは、私たちが選び抜いたお米をオリジナル土鍋釜「Bamboo!!」で炊き上げ、祇園界隈では比較的リーズナブルな金額で、何杯でも好きなだけ炊きたてのごはんをお楽しみいただけます。米料亭で多くの方においしいごはんがどういうものかを体験していただくことで、私たちの思いやこだわりが少しでもご理解いただけるきっかけになればと願っています。
米料亭での夜の料理は、昼とは一線を画して、お米の価値をより一層高められるコースにしようと、すべての料理にお米を使った「米ざんまいコース」を提供しています。始めようと思ったきっかけは、お酒を飲む方がごはんを食べない傾向があったためです。料理を提供することが米料亭の趣旨ではありません。正真正銘の「米料亭」として、おいしいお米を十分に楽しんでもらえるお店にしようと方向転換することを決めました。

一流の有名料亭と競おうとは思いません。私たちはあくまでお米屋。料理の世界で一番を目指すのではなく、ごはんで一番を目指すことにしたのです。私たちだからこそできるオンリーワンのお米の料理を提供して楽しんでいただきたい。そんな思いから米ざんまいコースの構想を練り始めました。
全部の料理にお米を使ったコース料理なんて他にはありませんから、具体的なメニューを料理人と詰めていき、2012年7月から米ざんまいコースを始めたのです。
私たちが大事にしているのは、「おいしい」はもちろんなのですが、それよりも「楽しい」をより重視しています。米ざんまいコースを通して、季節感や日本の行事ごとを感じられる目にも楽しい料理のほか、土鍋炊きごはんを提供するときにはお米がごはんに変わる瞬間の「にえばな」、炊きたてごはん、おこげというふうに、時間の経過とともに変容するお米の味を、ライブ感をもってお届けしています。

私たちが意識しているのは、“お米のテーマパーク”。「楽しかったよ」と言ってもらえる店を目指しています。「楽しかった」という言葉には「おいしかった」という意味も含まれていると思うのです。食事は食べものそのものだけでなく雰囲気なども合わせて楽しむものですから、「店の演出も含めておいしかった」ということが、「楽しかった」の言葉に詰まっていると思っています。米料亭でお食事をしていただくことで、「お米ってこんなにもおいしいものだったのか」と気づいていただけたら本望です。
祇園の米料亭の出店から4年後の2013年10月、東京・銀座に2店舗目の米料亭をオープンしました。京都・祇園に出店した時点で、次は5年以内に東京に出店すると決めていたのです。より多くの人たちにおいしいごはんをお伝えできるようになりました。お皿から始まり、料理やその見せ方、店の雰囲気など、祇園はどちらかというと、トラディショナル(伝統的)な要素に重きを置き、銀座は比較的コンテンポラリー(現代的)な要素を入れています。今後は北海道や九州などへの出店も考えています。